天使のお便り 翼の国へ


天使のお便り 翼の国へ 第11回 「絵は家族の一員」

 みなさんは絵画をどんな形でたのしんでますか? 美術館に絵を見に行ったり、画集を眺めたり
自分で絵を描いているかたもいることでしょう。
でも、一番多いのが、好きな絵を額に入れて、部屋に飾るという形かと思います。

百貨店の多くには絵画を扱う売り場があったりしますが、多くはインテリアとしてのイラスト であったり、有名画家の作品だったりします。
インテリアとしての絵画は、部屋をおしゃれに という感覚なので、色合いが合えば誰の作品でも いいのかなという感じです。 逆に有名作家の絵となると裕福な人の趣味の世界という感じですね。

では、きたの先生の作品を好きなみなさんの場合はどうでしょうか、きっと上記のどちらでも ないと思います。
それはきっと、大好きなペットを飼う、または大好きな友達を家に迎え入れる そんな感じでは ないでしょうか。

絵にはどんなに優れた有名な作品でも、身近にあり、毎日眺めたいものと、逆に毎日見るには 無理のある作品があります。どんなに良い作品でも、強烈な情念や、痛々しいものは困ります。

私もそうですが、きたの先生の作品を気に入ると、作品に登場する人物が好きになる という 感覚です。 私が最初に版画を購入した「エンジェル」という作品も、はじめは視線を合わせる のがはずかしい とそんな気持ちになりました。

しかし、身近に作品があり毎日見ていると、不思議とその時々に違った表情に見えてきたりします あるときはやさしく、あるときは悲しげに見えたりします。 まるでこちらの気持ちを理解してるかのようです。

家族が集う場所に掲げられた作品は、きっと、その団欒を見つめ、それを見る家族も同じ気持ちを 共有していることでしょう。そして、その絵は親の世代から子供へと伝えられていくことでしょう。

そして、きたの先生の絵は、作品を好きになった人のところへ、いや、もしかしたら、作品の中の 天使がこの人の元に行きたいと思って 作者を離れ旅立つのかもしれませんきたの先生の作品を知って、身近に作品を置いて知ったことは、そんな絵との付き合い方がある ということです。

 作品が家族とともにあり、愛され、ともに成長し、世代を超え広がる。単なるおしゃれや流行で はない、そんな広がりが生まれていると感じていますし、そうあってほしいと感じます。

 

2006/07/01



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