天使のお便り 翼の国へ


天使のお便り 翼の国へ 第2回 「スタイルの確立」

今回は雑誌での作品の発表と自らのスタイルの確立について話します。

 雑誌「詩とメルヘン」は漫画家 やなせたかしさんの始めた雑誌で、詩とイラストを
  掲載すると同時に読者からの投稿を募集していました。

 きたの先生は入選後、この雑誌で投稿される詩の挿絵として多くの作品を発表してきました。
そしてその作品に書き下ろしの作品を加えまとめたものが初期の画集「予感」「夢の中で」「月の雫」「精霊の国」です。   そして詩集への挿絵も手がけ「停まらない電車」「風の中の少年たち」は出版されます。

詩のことばに触発されて絵が生まれ、そして絵に触発されてイラストが生まれるというよい関係が雑誌の紙上を通して 成立していました。そして、絵だけでなく画集をまとめるにあたって自らも詩を書きはじめます。

 詩とメルヘンは編集長のやなせたかし氏の趣味もあり、現在では珍しい叙情性を重視した作品が取り上げられ、林静一、 おおた慶文、東逸子、味戸ケイコ、小谷智子らとともに「新感覚派の叙情画家」として取り上られたこともあります。

 また、雑誌「MOE」ではエッセイとともに作品を発表する連載など企画やテーマごとに依頼される仕事を手がけ、それらは 後に「結晶庭園」や「Angel」などの画集にまとめられました。

 1989年に小学館の「小学五年生」からの依頼で物語のイラストの連載をはじめ、1991年からは「小学四年生」での連載し 1993年まで続けました。これらの連載は、後に「12の花物語」「星たちの祈り」「聖なる森の物語」などの画集として 出版されました。

この時代1982年から95年までにかけて、さまざま仕事で作品を発表するかなで、きたの先生の絵のテーマとして 夜、星、花、天使、妖精が登場し、絵のスタイルと作家としての地位が確固たるものになったといえます。

 そして、画集だけでなく、ポストカード集やパズルと広がり、多くのファンを得ることになったのです。

次回は「画集の出版」についてお話します。

参考文献
  サンリオ  美少女の伝説 よみがえれ!抒情画 ISBN4-387-86065-0

2005/08/12



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