天使のお便り 翼の国へ


天使のお便り 翼の国へ 第6回 「森へ」

まねき猫です。今回テーマは「森へ」です

その代表となる画集が「聖なる森の物語」などです。
そこには森への畏敬とそこに息づく木々と草花と精霊の世界が色あざやかに展開します。

 1980年代以降、自然保護や近年の癒しをもとめる流れから森について多くの情報があふれる世の中になってきました。
きたの先生にとっての森は、第1回の生い立ちでも紹介したように学生時代の狭山の丘、武蔵の森、そしてアイルランドの森と、 昔から森のそばで暮らしてきたことに原点があります。
雑誌の特集で「森の魅力は、一言では語りつくせません。森は、いつ行っても違う表情を見せてくれます」 語り、季節や時刻で 変わっていくさまを、草や木々1本1本に個性を感じています。

わたしも先生ほど深くはないですが、90年代の初め意識して、近所の公園(東京吉祥寺の井の頭公園)に通ったことがあります。 残念ながら私は典型的な都会の子供なので自然に親しんだとはいえませんが。それはさておき、

前回お話した「夜と星」と同様、いやそれ以上に深く自然とのつながりを感じ、その感動が作品のテーマとなり作品が生まれてきたのです。 そして、ケルト文化との出会いへとつながるのです。

そう、人類の祖先である哺乳類は森を生活の場とし、恐竜がいなくなったあと、花や実をつける被子植物の反映と歩調をあわせ進化した 歴史があります。その遠い記憶が森と人を結びつけているのかもしれません。まさに森は私たちの故郷なのです。 特に日本人は森と共生してきた歴史と伝統があり感覚として理解しているのかもしれません。ヨーロッパでもキリスト教文化に染まる前の、 古い宗教では森を神聖に思いそこに豊かな命の世界を見ていました。

きたの先生は「森の中を歩いていて、きれいなものに出会ったときに感じる思いを絵として表現したい。私の絵に出てくる天使や妖精は、 その感動を絵にしたものなんです」と語っています。

私たちの生活は人による人の快適のための人工的なものになっていますまたたまに触れる自然も、人の手で改変された癒しの自然である ことが多いですが、自然は耳をすませ聞くものには語りかけてくるものです。

きたの先生の画集を抱え、自然にふれる機会をもてたらいいのでしょうね。

参考文献 AVANT LIMITED Vol.8 Junko Kitano and Breath of Forest

2005/09/10



プロフィールに戻します